平成最後の夏キャンプ
ハイエースにのって
同期11人でキャンプにいった。
「ハイエースで友達とキャンプ」ってだけでとってもリアルが充実している感じがする。なのに、今年はどうしたって「平成最後の夏」がうしろにひっついてくる。
ああ、もう困ってしまう。そんなの絵に描いたような青春劇にしかなりえない。
そんな楽しいキャンプの帰り道。
前触れもなくお互いの家族の話になった。
家族っていうのは自分の父母や兄弟、祖父母の話。最初は、禿げる?禿げない?似てる?似てない?みたいなよくある話だったと思う。
そこから突如として、様々な、ほんと様々な家族の話になっていく。複雑な話も、もちろんある。でも一様に語り口が柔らかい。困ったことも、大変だったことも、現在進行形なお悩みも、心のふにゃっとした部分を突くようなセンシティブな話のはずなのに明るく朗らかに話していく。時にはおどけて笑いをとったりして。
話せるようになったんだとも思うし、
話したかったんだとも思う。
そして、そこには聞く人への気遣いもたぶんにあった。話し終わった後に残ったあのあたたかさは、その語り口のおかげだ。
朗らかな語り口の裏に、背けずに冷静に受け止めたその人柄が垣間見れるようで。話せるようになったのは乗り越えた強さで、聞く人への気遣いは乗り越えたからこその優しさなんだろう、大人になるってこういうことなのかなとふと思った。
あの瞬間だったり、ああやって話す友達を忘れたくない。
平成最後の夏
ハイエースの旅
夕暮れの高速道路
かぞくの話
やっぱりどうしたっていい時間だった。